【十干】高島易による、知っておいて吉

⑦庚 (金の兄)コウ・万物あらたに生じる義・・・庚には更(あらたまる)という意がある。焼けつくような夏も、鬱蒼たる樹葉も秋に成れば自然に改まり、変化する状態を表す。四季では初秋です。人物に例えれば、常に、前向きの姿勢で積極的に取り組み、元気はつらつとして、環境や時流に適応して、軽妙に変化して時には短絡的に行動することもある。だが悪心がない為、隠し事はできないタイプ。器用で才能にもめぐまれているため名声を上げる事もある。更改・変化を主体とする 庚の気のために、心身が堅固でなければ、思わぬ動揺や失敗を招きます。故に、地道に歩む、粘り強さが幸運を呼ぶ。

 

十二支では「申」である。親戚の女子のこと。学業に、体育に、ピアノ、作曲、獣医の資格をもつ、才女のモデルである。国立大を受験したが、第一希望でないと言う理由で、一浪して本願を達した。(超有名な塾は、部屋代2000円のみ 受講は0円。)その後、大学院卒業、そして、資格欲しいと言う理由で、管理栄養士取得(御茶ノ水大卒)、そして 二児の母となり、元気はつらつそのものの人生を歩み続けている。

 

⑧辛 (金の弟)シン・万物が成熟するの義・・・辛は、古書に「辛は新なり」とあり、草木の枯死して新しくなろうとする意と刺激的であることから発展して、からい、つらい、苦しいと言う意味がある。四季では、わびしい晩秋にあたる。

 

人物では、沈着で淡白なタイプ、しかも理想が高く、行動は礼節が整い、実より名をとる傾向をもっている。強情で信念が固い為、決して自分を譲らない一徹さがある。

緻密な思考力、時には神経質過ぎて 取りこし苦労が多く、陰気である。嫉妬や猜疑心が強く和を欠くことがある。肉親に縁が薄い。時代と人をみる眼があるので、目標を決めて、じっくり腰を据えて取り組むことが賢明。十二支では 酉である。

 

オレの上司に辛酉の人が居た。上記の様な方である。今風のイケメンタイプ。親の跡を継ぐ2代目として、生まれた運の持ち主。趣味のひとつに「釣り」がある。酉は、水を好むので、一白水星生まれでもあるので、安らぎの場であろう。

 

親に「縁」がないという事はどういうことなのだろうと思う事しばしばある。親と一緒に生活をしていても、縁のない人もいる。早くに他界した、逆縁で子が先に逝った、遠くに住んでいて死に目にも会えなかった、親が離婚をした、家庭内別居等々、それなりの理由があるもの。

 

『仏典のことばーー現代に呼びかける知慧  中村 元・・岩波現代文庫』より。「われわれが生まれてきたのは、まったく不思議であって、目に見えない無数に多くの因果の連鎖の網がはたらいているわけです。それらのうちには科学的に把捉されうるものもありますが、把捉されないものもあるでしょう。科学といえども、結局は思考の所産ですから。

 

さらにわれわれの身体が破壊されてしまうと、われわれをつくり出した因果の網はそこで解体されてしまう。しかし、その因果の網をつくり出したものは、われわれの生死に関わらずはたらいているわけです。

 

不思議な力にはたらかされ、つくり出されたものであるという点に注視すると、誰もかれも、同じようなものに支配されて、生まれて死ぬのですから、高い立場から観ますならば、みな互いに父母であり、兄弟であります。そう思えば、他の人々に対して無限の親愛感が起こるわけです。

 

そこまで思いを馳せなければ、なかなか戦争がなくなるということはないでありましょう。・・・源信僧都は、更に、互いに師弟になろう、と願っていました。・・西洋にはほとんど輪廻転生の観念がなかったからです。」

 

     は つ あ き は の 吾 は 海 猫 君 は 雲

     秋 来 る と 背 戸 の 荒 縄 む せ ぶ な り  

『虎符  句集・山 口 剛』より。(オレの師匠)。

 

つづきます。