【ケーキを切れない非行少年たち】宮口幸治作 新潮社

① オレは12月9日深夜に読み終えた本です。

② コーヒーを飲みながら目の休憩を兼ねてテレビを付けました。「8050事件」の内容でした。発達障害の人・・44歳男性 無職 中2年生の頃いじめに遭い「愚母」(本人のことば)、初めて殴った時の快感が忘れられない。この人は30年前から家庭内暴力を繰り返していたという流れです。  76歳男性 元キャリア組農水事務次官の人が一人息子を殺害した。偶然にも読み終えたばかりの本の内容の事例と同じでした。昨今、このような事件は珍しくなくなった背景があります。

③ 保育士現役という事もありまして、テレビは勿論(ニュウス・尾木ママの番組・本)、研修会などにも出かけています。現場では、”この子の将来は どういうふうに育っていくのかな?”など勝手なおせっかい想像をしてきました。

④ 本に寄ると、丸いケーキを等分に切る事ができないという目の前にいる少年たち(少女も含む)についての、長きに渡る研究・実践・教鞭・他者との話し合い指導を受ける等、長きにわたり担って来たという方です。

⑤ 保育園や家庭においても、よくみられることです。大人の言葉を再現する2歳3か月の男児(姉がいる)の言葉・・・「なんどもなんども おんなじことを いわせるの!」です。自分の遊びやその時々の課題が思うようにいかない時、彼は発する。大人に褒められることもたくさんあります。模倣あそび・自分の有り様を一緒にやれる平行遊びも得意です。語彙も豊かです。 彼は同じ言葉を一日に何度も言われ、小さい体と心で、何人もの大人を相手に一方的に言われ続け岩になってしまう程です。そして、ことばが再現されサインを示します。大人は言います。「まったく おんなじことをやるんだから どうしようもない」と

 

⑥ 宮口先生は書いています。「凶暴で手に負えない少年の真実・世の中のすべてが歪んで見えている・ 面接と検査から浮かび上がってきた実態・ 学校で気づかれない子ども達・ 褒める教育だけでは問題は解決しない・ 1日5分で日本が変わる」。「反省以前」の子どもたち」と。問題を抱えたまま児童期にはいり、丸いケーキ‐を5等分に切れない非行少年へと成長し、非行少年に共通する特徴5点セット+1という まるで数学の方程式のような実態が見えると言うわけです。

 

 ァ認知機能の弱さ ィ感情統制の弱さ ゥ融通のきかなさ ェ不適切な自己評価ォ対人スキルの乏しさ ヵ身体的不器用さ 。オレ達のような素人には、もしかしてうーーんと感じて上司に伝えたとしても、近場の相談センターの臨床心理士に観察してもらったり、話をきいたり、時には親御さんにも伝えるが、親の防御心があり、「はい。ではこれでおしまいで、いいでしょうか!」と互いにもやもやのまゝ自然消滅するケースもあります。

 

☆彡 この時期恒例の行事といったら「お遊戯会(発表会・クリスマス発表かい・・)」があります。園によって十人十色、内容も・日もそれぞれです。以前勤務していた幼稚園の特色は、おゆうぎ・器楽合奏・劇・うた・などを年齢やクラスメンバーの傾向に併せて練習・発表当日となります。オレ達は出し物のバックとなる「絵」・場面に必要な小道具や衣装を作ります。当時の幼稚園は個性豊かな経営者の考え・方針・伝統に添います。劇の台本は大方、教諭たちが仕上げていきます。🌲は終わりました。

 

めでたしめでたし。と、終わらない事が保育の醍醐味! ここからが本当の教育に繋がっていくかどうか?問われることとなります。つまり、発表会の中身をその後の保育の中で自由に、子どもたちの感性・人間力にお任せの展開が保障されているかどうかに尽きると今でも考えています。

幸いなことに、オレは今でもその時のクラスメンバーに感謝しています。彼らは「ペープサート」を自作自演。当日他のクラスに配るチラシまで折り込まれた内容でした。オレは👼たちに出遭うと言う共時性に包まれたのであります。約40年前の奇跡です。

 

5歳の子どもたちが、この本の主題でもあるだろう「適切な自己評価」「行動変容」、つまり、「自分はどんな人間なのか?」を理解できることが大前提なのです。」と書かれてあることの証となりえると、強く感じながらとっくに過ぎ去った実在(実存といっても過言ではないと考えます)であります。彼らは自己実現を果たしながら、今日一日を生きていることでしょう。

 

「保育道」。オレの生涯の課題であります。

 

つづきます。

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