むかし むかし

20代後半の時、オレは 離人症という心の病になり、浅い現実の川を流れていた。体を横たえても、深い傷をおい、息も絶え絶えになっているという事に気づくことはなかった。「こころ」と言う存在に気づいていない時代だった。

オレは初めての「師」に出会った。「ねばならないということは、ないのだよ。」と國分康孝先生の言葉に、魂を浄化して頂いた。オレは今でも、この言霊を軸に据えていきている。先生は車いすに身を置き、奥様の手に全霊をお預けして、講演活動をこなしておられると、人伝えにお聞きした。

 

傷は深く肉の内に隠れている。死の馬が目の前を、通り過ぎていくが、瞬に消えてしまう。地獄の窯は一度だけ大口を開けるでしょう。

 

つづきます。